5.0
役所が醸す日常感とあの世の非日常の妙
本当に死んだらこんなのかな?と思わせるような役所で死後の手続きをするという発想の日常感。この一人一人手続きする感じが、子供の頃祖母に言われた「一人一人閻魔様の前で生前の行いを‥」という日本人の死生観になんとなくマッチしてるんですよね。そして、人によっては報いを受ける感じとか、職員さんが⚫︎刑囚で、勤務することで贖罪するというか、さまざまな他の死者の人生に関わって修行するというか、その辺も仏教思想っぽい感じでしっくり来ます。そしてひとりひとりに人生がありワケありドラマありで、どのエピソードも興味深く、もの悲しく読めます。自分自身の教えられて育てられたことや、倫理観に合うので、素直に入り込めて共感しつつ読めます。大好きな作品です。
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死役所