5.0
松本零士先生のすごさが分かる作品
まず、999をスマホで読めることに感激です。コミックもアニメも劇場版も観ましたが、今また、こうして読めることが嬉しい。「旅立ちのバラード」が、まず良いんです。単なる明るい始まりじゃない、待ち受ける「なにか」があることを、鉄郎はそれに立ち向かわなければならないことを、はっきり暗示していて甘さはない。実際この後、鉄郎は人間の業や機械文明の負の側面と向き合うことになります。
松本先生がすごいのは、行く先々で出会う物語の数と中身です。停まる星で、あるいは途中で、膨大な数の物語が描かれていく。それも生と死に関わるものが多い。親子の、恋人たちの、戦う者たちの物語。ひとりの作家の中から、これだけ多くのドラマが生み出されたいう凄みこそ、999という作品の最大の魅力だと思います。
ただ、個人的にはもう少し、エメラルダスに活躍して欲しかった…。
松本零士先生、本当に、ステキな作品を、ありがとうございました。新たな世界で、新たな物語を描くための旅立ちと信じて。
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銀河鉄道999