5.0
終戦後の日本、夜の繁華街が舞台。
軸として描かれる、闇社会に属する二人の男の関係は、友情にしては深く、互いに相手に殉ずるようなものだったように思う。
それを取り巻く女達のそれぞれの生き様。
少女、子持ちの女、性格の強さ、弱さ。年代も性格も様々だが、みな引き込まれるような魅力を持っている。凛とした眼差し、生きるために決める覚悟。現代ではなんとかなるだろうことも、ままならなかった時代に生きた人々の強さというものはこうかと思わされた。
そしてやはり、絵が最高に美しい。男女の顔や肉体、この絡み合いの魅力を、これほど引き出せる作家というのはそういないだろうと思う。エロ、ではない。性、とかエロス、というものだった。切なく力強く、人間らしい生き様が描かれていた。
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女衒夜話