4.0
知ることの大切さ
ISのこと、ぼんやりとしか知らなかった。半陰陽という言葉とか、ふたなりとか、そんな噂程度。この作品のおかげで知ることができました。ありがとう。
実際はこんな綺麗事ではないんだろうし、少女漫画的な要素が強かったので現実味があるのかどうかは別として、ただただ「知る」という点において、この作品の存在意義は非常に大きいと思います。
性生活については一番デリケートな点だからこそ、もっと深く描いていただきたかったですね。EDとか奇形、他の染色体異常疾患とか、色んな理由で性生活が困難な人はISじゃない男女でも存在するんだし、ISの方々がどのように性生活を送っているのかを描いていただけたら良かった。
あとは最後ののぞみを引き取るところはまるで犬か猫を拾って育てるみたいなノリでサラッと書いてあるけど、あんなに単純に里親になれるわけないですよね。伊吹くんとの新生活の際には児相との絡みとか養子縁組手続きの障壁とかその辺りも掘り下げて描かれれば一層リアリティのある話になったのに。
春くんの身体も気になりますね。性ホルモン不足で日常生活にも支障がでる状態なのに激務に子育て…大丈夫なんでしょうかね?
ホルモン剤内服開始後の心身状態の変化もまるで描写されていないので現実感がなかった。
また、障害者福祉については情報が弱すぎです。実際の施設を取材されたかどうかも疑わしい。想像で描かれてはいませんか?例えばなんで下半身麻痺の人が車椅子生活ってだけで作業所にいるんでしょう?(笑)麻痺があっても子作りはできますし、色々ツッコミ出したらキリないです。その辺りが残念ですね。作品のテーマとは矛盾した、偏見のようなものを感じました。
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8
IS