5.0
心に沁みる名作です
貴族の令嬢として生まれた主人公は、本人が望んだわけでもないのに女性としての当たり前の人生を奪われ、男主導の社会に放り込まれて必死に生き延びて行く。
そして騎士として男たちの中で地位を確立し、成功して行く。
それでもなお、生まれ持った「産む性」からは逃れようがない。女を捨て死に物狂いで獲得したアイデンティティと生まれ持った性、両者の成す歪みが徐々に彼女を苦しめる。
美しく有能で完璧な皇帝は、そんな彼女を実力で高く評価し、そのうちに一途に愛するようになる。
しかし女性として向けられる皇帝の愛までもが、彼女の誇りを傷つける恐れもあり…
皇帝の一途な愛と、主人公の純粋な忠誠心のチグハグなやり取りが面白おかしく描かれる一方で、それぞれの立場や人生、葛藤、人間の心の機微が見事に描かれている。
複雑で重い内容を、あっさり軽い絵柄とテンポ良いストーリー展開で無理なく読ませる。
名作です。
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3
皇帝と女騎士