5.0
主人公の報われた人生に、涙出ます
最終話まで全部読み、早速このレビューを書いています。
何年経っても、私の心に深く刻まれている作品だと、読んだ直後の今、確信しています。
まずは真面目な感想から。
同性愛を自明のものとして、そこに何か特別な意味を与えない点に、作品としての到達点の高さを感じます。
そして、ここからはざっくばらんな感想。
主人公(受け)の螢が、過去を回想して語るシーンを読んでいて、もう胸が締めつけられる思いでした…!
人に求められることの喜び、それを知った幸せな時間。
ただし、それはいつまでも続くものではない。
幸せな時間から、地獄のような生活に堕ちていく。
そして、誰も信じられなくなっていく。
(わかるよ、螢…、アラサーの私は本当よくわかる…)
それでも、準太(攻め)に否応なしに惹かれてしまう心理描写に、読んでいて心が引き裂かれていく思いでした。
準太は、とても一途でまっすぐな気持ちを持った男の子として描かれていますが、かといって、よくあるバカな男の子ではない点も◎!
洞察力と思いやりのある男の子で、ああ、ほんと、螢がこんな男の子に想われて、わたしゃ安心したよ…どうか幸せになってくれ…!という気持ちです。
ずぶずぶのエロはあまりないけれど、丹念な心理描写によって、セリフのひと言ひと言で読者の心を濡らしていく感じ。
単なるエロじゃ物足りなくなってしまった私にとっては、どストライクの作品でした!
そういう方にはぜひ読んでいただきたいです!
- 4
はきだめと鶴