5.0
自己肯定感の回復
この話は深い。
最初は主人公のクロエがカイロスに利用され、皇帝のレイモンドを亡き者にすることに手を貸した悲劇と罪悪感から自分を愛することも肯定することも出来ない状態だった。
しかし、転生し過去に戻って全てを知ってなおクロエを愛するレイモンドの無償の愛で、徐々に自尊の感情を取り戻しレイモンドを愛するようになる。
クロエはあらゆる人を魅了し、愛されるようになっても自分を許すことが出来ずにいた。自分を許し、自分を愛することが出来て初めて他者も本当に愛することが出来る。
悲劇で壊れた心を真っ当に取り戻していく話。蔑まれて我慢して我慢して、一度死んで、壊れそうになりながら少しずつ明るい方に歩んで行く姿が良い。
レイモンド、エノク、彼女を真に愛する人間がいて本当に幸せではないか。
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私が愛した人は優しい悪魔でした