5.0
ままならないね
他者からの愛情に飢えているエルジェが、妊娠を機に「男への執着」から脱しているのが興味深い。いや、妊娠前から自分の心と家門の益は割り切っていたかもしれないけど。
従僕(本当は王だけど)に執着して、立場を利用し体の関係を持っていたのに、心の底ではずっと一緒には居られないしいつか別れる時が来ると理解している。「いつか時が来たらあなたの愛する人と共に開放してあげる。私の心より家門の存続の方が重要」だと割り切った考えなのが、普段の不安定な様子とのギャップで彼女を魅力的に見せている。
もちろん彼女にも心があるので傷つくし、嫉妬に狂った様子を見せるのも本当の姿だろうけど、根底にはとても冷めた優先順位を持った人だな…と、私は感じて、そこがこの作品特有の緊張感という魅力に繋がっていると思いました。
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サベージ・キャッスル~堕落の迷宮~【完全版】