5.0
年を経てこその楽園
オノ・ナツメさんという作家さんをつい先日初めて知って、すごく魅力的な話を作られる方だなと。
絵も独特で、作品によってはほんとうにアートって言ってもいいくらい。
このお話は人生の酸いも甘いも噛み分けた、何も言わなくてもそっと寄り添ってくれる深みを持った登場人物たちが織りなしていきます。
舞台設定も言葉ひとつとっても、一遍の文学作品を読んでる感じ。
ひとつの謎に向かいつつもそれぞれのキャラとその背景にあるものが少しずつ語られ、不穏な感じになってもそれ以上には踏み込まない。
こんな年のとり方をしたいものです。
最後、どちらの終わり方になるかな?と思っていたけど、手の届かないものへの憧れを残した切なさの残る終わり方(これもいいけど)じゃなくてほんのりこちらも幸せを感じられるエンディングで、それもとても良かったです。
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僕らが恋をしたのは