4.0
イライラするがまるで矢沢あいが描く漫画
イライラすること必須。
登場人物全員にイライラさせられる。
ワコ…気持ちの揺れが激しすぎ。トキメキとやらを求め半ば犯罪のような真似をしてサクッと男子高校生と浮気。彼氏にバレるとやっぱり貴方が私の帰る場所!結婚!と再構築、したかと思えば別れて高校生と交際開始。したかと思えば元元彼の出現にまた気持ちが揺れ出す。なんやお前。
ふうくん…よくいるナチュラルモラハラ男。
悪気なく人を見下す。悪気なく人を小間使いにする。悪気なく偉そう。
裏返した靴下を放置とか油物の中にコップを突っ込むとか机のふきんで床を拭くとか、おもに主婦のイライラポイントを絶妙につついて頂けます。
イコくん…後先考えず突っ走りすぎ。
考えが幼いのに解ったような口ぶりや態度。
付き合う前『年なんて関係ありません!ずっとずっと好きでいます!』
付き合った後『わこさんって俺よりお母さんと歳近いんだよな…』
初めから31って知ってたやろ今更かい。
イコくんに関しては高校生なのでこれが普通ですが分かっててもやっぱりイライラしますね。
ワコやふうくんに至っては毛根やられそうです。
しかし私はこの作品全話購入しました。
日常のゆっくりした空気感の中に上手く愛憎や焦燥といった激しい感情が折り混ざっていて引き込まれます。
あと、イライラするってことは全員すごく人間臭いんですよね。ひっそりイコを想ってた天真爛漫でいい子そうな女子高生でさえ、イコとワコの関係を知るやいなや『なんで年上の女がイコに手ぇ出すの?』『おばさんとそういう事してたんだ!イコ最悪!イコ気持ち悪い!やだぁ!』と女の醜さと嫉妬丸出しで阿鼻叫喚。
漫画の登場人物ってキャラの性格との矛盾が無いようにする為か、あんまりこういうキャラの子にこういう事は言わせないんですよね。
他にもその場その場のキャラクターの感情でコロコロ状況が一変して行く様はあの『NANA』の作者矢沢あい先生の漫画のよう。
『あらすじは考えません。その時のキャラクターにまかせます』と矢沢あい先生は言ってましたがこの作者さんもそうなんじゃないか、と思わされます。
理屈でなくワコの感情でストーリーが振り回されていく感じです。先はまっったく読めません。
私は毛根への悪影響があろうとも今後もワコから目が離せないでしょう。
- 77
恋のツキ