5.0
ある意味哲学的というか
個性的な吸血鬼たちと、コウくんたち人間の交流を描く作品。フィクションとして楽しいのはもちろんですが、この作品の奥深いところは、人生の中で誰しもが多少に関わらずひっかかる疑問や問題に向き合っているところだなと思います。
例えば眷属はいらないと言っていたナズナちゃん。でも周りは眷属が作れて一人前!という吸血鬼ばかり。色々な経験を通してコウくんを眷属にすることを自分の意志で決めますが、その内に「眷属は作らない派」の吸血鬼たちにも出会い、少し嬉しくなったり。
これはなんだか現代の結婚感とも重なるなと思ったりもします。
これだけでなく、恋と愛の違い、恋そのものについて、大人になるということ、家族とは、友人とは、等など、問いかけてくれる、そして1つの答えに突き当たるきっかけになるような作品でした。
愛だの恋だのと一周回ってスレっ枯らした世代には、少し昔の感覚を客観的に見返す機会にもなる気がして、なんだかこれまでの経験を自分で噛み砕いてしっかり自分の糧にできる機会になったような気も。
そしてなにより、登場キャラがみんな魅力的で大好きになります。
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よふかしのうた