4.0
タイトルの意味
読み進めていって、タイトルの意味がわかった気がしました。
このお話は、ミステリーであってミステリーではないのですね。
作者が本当に作品から世の中に発信したいことは別にある。
ミステリーはその媒介。
だからこそ、このタイトルになっているのですね。
整くんが常々感じている一言一言、女として私も常々感じてきました。これを読んで、考えを肯定してもらえた気がしてとても嬉しく感じましたし、世の男性にも読んでもらえたらと思いました。
媒介であるミステリーも、単独で十分面白いのですが、整くんの「刺さる一言(どころではない)」が加わっていることで、他にない唯一無二な空気感が出ています。
一つ気になったのは、掲載雑誌の関係もあるのか、その「刺さる言葉」が男性へのお説教じみた話に偏りがちで、ミステリーの構成に割って入る異物感が目立った箇所が所々あったことです。
でもこれは完全に私の感覚のものかと思いますし、楽しむのに気にならないレベルです。
多くの人にとって楽しめる、ハッとさせられる、肯定してもらえる作品だと思います。
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ミステリと言う勿れ