5.0
王道シンデレラ物語ですけど
貴族に対して気後れするイライザの心情がきめ細やかに書いてあります。バイオレットのお茶の席で、金鉱脈のことを持ち出して、しまったとするあたり、もしかして試されてる?を、私は貧乏な貴族で、私が男なら会計士としてみなさんに雇われてるかも、といわせたあたり、切なくなりました。
こういうシンデレラストーリーは、ハチャメチャなヒロインで周りを魅惑していくことが多いような気がします。それって本当なら通用しないよね、と現実的に疑問を感じてしまうことが多い。でも、イライザはキチンと考えてる。辞めた後は、教師で生計を立てたいとか、現実的。
公爵の次男から殴られるところも、旦那様の侮辱を許さないとか、自分のことなら我慢するけど、納得のいく心象の書き方がしてある。「多分あの次男は私が泣いて許しを請うと思ってたんですよ。ても私はしなかった」そうあわせるあたり、イライザの魅力も感じられて私はこの物語が単なるシンデレラでくくられない物語だなって思います。
あと、絵が素敵。お菓子の描き方とか、コーヒーや紅茶の液面の部分とか、宝石の描きかたが魅力的です。
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マイフェアフットマン