5.0
純愛という名の狂気
「人を好きになるのは理屈ではなく本能」。
「姉弟である」という理屈と「異性として愛している」という本能のせめぎ合いが、周囲のリアルな拒絶反応と共に描かれています。
香純・恭子の由貴への愛は似て非なる所があり、
香純は「他の全てを失っても由貴がいい」、
恭子は「自分に相応しい男性である由貴がいい」なんですよね。
血縁関係という禁忌ではあるものの、由貴が香純に惹かれるのも無理はない気がします。
香純を愛する覚悟を決めた後の由貴は、本当に真っ直ぐでブレないのに対し、
香純は不安定な行動を度々起こしますが、もはやそれも含めて由貴は愛おしいのでしょう。
恭子転落事件で香純を信じた由貴。
由貴の訃報をものともせずローマでひたすら待ち続ける香純。
お互いへの信頼でしか繋がれない2人が、
これだけ信頼し愛し合っているのであれば、
たとえ禁忌であろうと2人が結ばれる未来を願ってやみません。
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罪に濡れたふたり