5.0
ハートを鷲掴みにされるストーリー!
読み始めたら面白すぎて一気読みしてしまいました。
平成生まれの主人公が戦国時代にうっかりタイムスリップしてしまうことから始まる物語。現実にはあり得ないことなのに、物語の展開と、次々に登場する魅力的なキャラクターに魂を吸い込まれ、すべてが自分の周りで起きているかのような錯覚に陥りました。
なるほど、戦国時代を生きた人たちはこんなことを考えていたのかなぁとか、生と死が隣り合わせの世界ではこんな感覚なんだなぁとか、森本先生が登場人物たちに言わせるセリフの一つ一つに深い感銘を覚えました。
シリアスな内容を扱う場面もたくさんあるのに、重さと軽さのバランスが絶妙で、いっぱい考えさせられるのに重すぎず、ここぞというタイミングで笑いがちりばめられていて、本当に楽しく最後まで読むことが出来ました。
とにかく登場人物たちがみんな良い!!モブにいたるまですべて良い!!顔や表情のバラエティが豊富で、一人一人を見ているだけでも楽しく、笑ったり泣いたり胸キュンしたりで忙しい。
そして何と言っても、唯と若君の関係が最高です。若君という、命をかけて守りたい存在が出来たことで変わっていく唯。一族を背負う重い運命の下に生まれ、自分を殺してお家のために生きてきた若君が、唯に出会ったことで知る笑いのある人生。全く異なるのに、パズルのピースのようにピタッとはまる二人の恋の行方は読み応え十分です!
今ある生を精いっぱい生きる唯や若君、そしてその周りの人たち。この物語を読むと、登場人物全員に背中を押してもらえます。
何回も読み返したい作品です。
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アシガール