5.0
家族とは
まずは今、ご本人もご家族も命を繋いでいてくれて良かった。
このような病気はもちろん全く理由も原因もないこともあるのだろうけど、この本を読んだ人は登場するすべての人たちに多かれ少なかれ思うところはあると思う。
とくに後半の母親目線からの執筆は、親という存在を改めて考えさせられた。
親の過剰な抑圧や無理解や暴力は、一定の子どもを壊す原因ではないか。
その父も親からある種の虐待を受けていた描写があるので、世代間での負の連鎖が連綿と続いているようにみえる。母親の孤軍奮闘の苦労と娘を救おうと必死になってくれる本当の有り難さは、本人が親になったとき気づく部分もあると思える。
姉がきょうだい児になってしまっている認識もケアも家族内で無く、辛い立場であることに心を痛める。自分で自分の生き方を切り開いてみえて、拍手を送りたい。
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高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで