5.0
みんな色んなものを抱えて生きてる
はじめは今日子の挙動不審な行動やサイコパスな出来事などから理解し難い内容と感じる方もいると思われます。ですがこの作品を読み進めていくと、ところどころ心の中に衝撃が走るんです。
その部分は闇です。いつしか抱え始めた、自分の心の中の闇。
みんなそれぞれ闇ってあると思います。そんな色んな人の闇をうまく作品としてまとめていられて、読み進める度に「そうだった、自分が抱えていたものはこれだ」と答え合わせしていく感覚になり、涙が止まらなくなるんです。
すごい構成です。
昔の自分や過去の辛い出来事、現在も悩む出来事が脳内再生されてすごく苦しい気持ちで読みふけることもありましたが、自分を見つめ直せました。
親子の関係って深いなとつくづく感じました。
家庭での愛情や人間関係がその先の人生を作る。
人格形成に親の愛情がどれだけ関係するのかと、今子育てしている自分にかなり響きました。
自分自身、今日子にすごく似た部分があるし
今日子とお母さんの関係性は今の私の悩みそのもの!
親の愛を受けたかったはずなのに、今はただただ厳しい親になっている…。産んだ責任。このお母さんの言葉は私もずっと自分に言い聞かせてきた言葉でした。
娘に心配な点が増えていき、困らないように何とかしなきゃと一生懸命になりすぎて大事なものを見失っていました。
何よりも愛情。子のことを深く愛してとにかく認めてあげたいと強く感じました。
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きみが心に棲みついたS