5.0
母親への感謝
超高齢出産という一般的にはあり得ない設定だからこそ描ける生命の力強さ。老夫婦2人が一歩ずつ歩んで育てていくと同時に必ず脳裏に過るのは「寿命」。そんな「生きる力」が直接的ではない「死」との対比で描かれています。
単なる出産物語ではないからこそ、実話ではないからこそ描けるストーリーが、強く心に響きます。
私はパートナーがいる20代半ばです。年々子育ても現実味を帯びてくると同時にどこか非現実的な気がしていました。
ただ、この作品に出会って少し子供を産む選択に興味を抱きました。とはいえ出産を自分だけで選べるわけではなく、もしかしたら産めないかもしれないし、病気にだってかかるかもしれない。ただ、それは皆同じなんだなと。
読み終わったあと、自分を産んでくれたお母さん、育ててくれたおばあちゃん、これから産まれてきてくれるかもしれない我が子、そして自分自身に「ありがとう」と言いたくなりました。どんな立場の方にも読んでみてほしい作品です◎
- 8
セブンティウイザン