5.0
フィクションとして、親子として、人として
70歳で夕子さんは思っていたより元気で、
思っていたより年老いていた。
65歳で朝一さんは思っていたより年老いていて、
思っていたより元気だった。
私はアラフォーになり、パートナーは居るけれど子供は難しいと思っている。
それは年齢が原因ではなく私の性格から勝手に自分の可能性を狭めているだけなのかも知れない。
オードリーによって埋められていた二人の間のスキマを、
みらいちゃんが物凄いパワーで埋めていく。
物語は彼女の名の通り未来へと進んで行くが、
その反動か過去の2人の思い出も掘り起こされスキマに入り込んで行く。
コミカルに、時にシリアスに話はテンポよく進む。
夫婦の残り時間は2人が自覚している通り(もしくはそれ以上に)短い。
しかし今30歳だったとして、この世の中の誰もが残り時間を確実に保証されてはいない。
その意味ではこれはどの夫婦にも言える
「リミット付きの未来への物語」
では無いだろうか。
この漫画にリアリティがないと言う評価も理解出来るが、
今若くして子供を持つ幸運に恵まれた夫婦の漫画であったとしても同じ条件は実は数多い。
何度も泣いた。
純粋に心からこの漫画を読めて良かった。
改めて今の人と共に生きたいと思えた。
実際育児をされている方からは私のレビューは的外れと言えるかもしれない。
ただ、これだけの文字数を今すぐ吐き出したいと思わせる熱量のある作品だったことは唯一正しいことかと思う。
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セブンティウイザン