5.0
力強い作品でした。。
読んでいて苦しくなりましたが、同時に妖精さんの「1人の人間として扱われたい」という切実な想いがひしひしと伝わってきました。自分を守る術を教えてもらえないまま、幼い頃より家族を含めた周りの人間から身心の搾取、尊厳の蹂躙に遭い続ければ、精神を病んでいくのは当然だと思います。宗教、親、子ども、そして旦那さんとの関係において、もし妖精さんが折合いをつけて自我を殺し、周囲が望む模範的な「信者」「娘」「母親」「妻」を演じていたなら、これほどまでに苦しみを感じることは無かったのかもしれません。妖精さんの怒りや狂気は、妖精さんが妖精さんであるために必要な精一杯の自己防衛であったと思います。
ボロボロになりながらも、大学を卒業し、漫画家を目指す姿は「1人の人間として認められ生きたい」という決意の表れであり、後世の同様な境遇における人々への勇気になると思います。そのような生き方を批判する権利は誰にも無いのではないでしょうか。
何はともあれ、自分を殺さず生き抜いてくれてよかったです。
今後お子さんと向き合う時間と余裕が、少しずつできてくれば良いなと思います。
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妖精物語~大学生(18)で妊娠した私とマイペース旦那との熾烈な結婚生活日記~