5.0
恩師と呼べる人
今や漫画好きの女性なら必ず知っているだろう「東村アキコ先生」の、漫画家になるより前の少し変わった青春時代のお話です。美術の大学に行くために、美大受験予備校?で、少女アキコが後の恩師・日高先生に出会うところから、ストーリーは始まります。
とにかく、出てくる人出てくる人、個性的でキャラが濃くて、これがノンフィクションとは!と驚きと笑いの連続です。特に、日高先生は、脚色しているかもしれないけれどなかなか強烈な(失礼!)インパクトの持ち主で、こんな先生がいるなんて、もはや笑うしかありません。もちろん、良い意味で!
しかし、最後まで読み進めていくと、日高先生との日々がなければ、日高先生がいらっしゃらなければ、今の東村先生は存在し得ないのだと、強く思います。
学校の先生でもない人なのに恩師と呼べる人がいるって、すごいことですね。
絵画のことだけでなく、誰しも青春時代にあっただろう若気のいたりや、恥ずかしく甘酸っぱい思い出も盛りだくさんで、自分の青春時代も回顧されるような、時に胸が苦しくなるような、そんなお話です。
東村先生のファンはもちろん、老若男女問わず人生の岐路にたっている人、人生に悩んでいる人に、是非読んでいただきたいお話です。
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かくかくしかじか