4.0
波瀾万丈すぎるストーリー
作品当初、ほぼ無一文で家を出た早梅が金持ちボンボンの壱成に拾われ、達成するとお金をあげる無茶振りゲームを早梅にさせる「あり得ない」展開でスタート。
壱成の実家である旅館に早梅が入ってからも、壱成の兄が若い頃早梅といい関係だったことが分かるとか、兄のストーカーまがいの女に命を狙われるとか「あり得ない」展開で進む。
最後まで旅館にまつわる関係者がたくさん登場し、壱成と早梅は互いに好きになり、どんでん返しのある「あり得ない」最後を迎え、早梅は壱成と結ばれる。
出てくるキャラクターもとても作り込まれていてホロッとくる場面も多々あって、ストーリーの肝は筋が通っていて納得感もある。
ただ上記の通り「あり得ない」展開が多すぎて
途中少し気持ちがついていけなくて読むことが疲れてしまう部分があった。最初からイベントを少し詰め込み過ぎているように思う。
せっかく早梅と壱成の関係性の描写は悪くないのにイベントがごちゃごちゃしていて、とてももったいないと思い☆マイナス1とした。
「プロミス・シンデレラ」(小学館)はドラマ化も良かったらしく名前をよく聞くようになっていた。
そして小学館漫画賞少女部門でノミネートされたものの落選し、同じくかなりハマっていた「消えた初恋」(集英社)が受賞した。
テイストが全く違う2作品だが、ストーリー展開の巧妙さに大きな差があるように思う。派手な「あり得ない」展開を多用され過ぎると、現実感が大きく失われてしまうことがあるからだ。
なので「消えた初恋」が「プロミス・シンデレラ」を制して受賞したのは必然だと思った。
-
0
プロミス・シンデレラ