4.0
人はこうやって誤解される
主人公がやり直しによって改心したり別人格になったりするわけではなく
元々の性根は悪くないけれど気位の高い貴族らしい孤独な少女が、意固地に引きこもりストレスから逃げ続けた一度目の人生をやり直す二度目の機会を得て試行錯誤するという話。
意固地になるには父親の無関心、元夫との関係構築失敗、乳母の教育方針、嫁ぎ先との関係構築失敗など色々な要因があったと思いますが、そんな事情や心情など周りはそうそう理解してくれず勝手なことを言い、結果で評価して憶測で噂をするもので、それが「悪女」の実情であって、要は幼いまま成長の機会なく未熟ゆえに破滅したので、二回目はその「未熟」からスタートするものの「このままではいけない」という気づき・きっかけと良くも悪くも試行錯誤を始め、それが主人公の人としての成長につながっていく物語です。読み進めれば、主人公は自分に良くしてくれる人、敵意がないとわかった人、有能と認めた人などにはちゃんと優しく接して良い関係を作っていける人物なのでご安心を。
なので「死んで完全に悟り系」をお望みの方には合わないと思いますが、不遇な問題児の成長物語などがお好きな方には面白く読めるストーリーと思います。
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結婚商売