5.0
機微に溢れた作品
時代の弊害なのか「まずは結果ありき」を求める風潮がありますが、この作品にはいつの間にか忘れ去られてしまった「心の機微」が溢れている。白か黒か・0か100か…と結果を決めつけるのではなく、ともすると目につかずに素通りしてしまいそうな心の襞の細やかな動きを、丁寧に且つしっかりと描かれています。
この作品で、長いとか動きが遅いと言うのであれば、80〜90年代前半の作品はまず退屈で読めないでしょうね。
私は文学作品も漫画も読む、所謂“雑食”ですが、こちらの作家さんのストーリーは立派な文学作品。しかもオリジナルストーリーという事で、俄然興味が湧きました。他の作品も少しずつ読んでみたいと思います。
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たーたん