4.0
人物像の描写にリアリティあり
綺麗に人物が描けていて、リアリズムがあります。
実在の話か、類似の話を二・三集めて書いたのでしょうか。こういう人間いるという感じで面白いです。
主人公は世間知らずで、人を信じられる純粋ないい子だが、機能不全家族に酷いことされすぎて抗議すべき人の害意がどこからか分からない、咄嗟に応戦できない人に育った感じ。高校入っても門限18時とか言われてそう。過保護に育てられたから意地悪な人がわからないし、父の理不尽をすべて受け入れたからおかしな人でも普通のいい人に見えるやつ。
ご主人は正論バカ。できるが故に苦労しすぎて、小さいときから引き受けなくてもいい理不尽・不合理さまで引き受け、謎の持論として内面の規範化した感じ。デキる分ある程度の社会性まで内面化してるから普通に接する分にはクソ真面目くらいなんだけど、労働観とかフェアじゃないとか聞くと謎持論を持ち出して、内面の言葉がキツいからそのまま言っちゃうやつ。
手前で踏みとどまれるだけの経験・知識・助言してくれる第三者がいたら良かったんでしょうが、違うベクトルで酷いことされたからお互い普通に関する経験知識はぜんぜんなく、親も普通じゃないからアドバイスを仰いでも拗れると。
それでお互い普通じゃない部分が多いから、一般論で理解もできなくて、何でも受け入れるのと何でもやり抜くので相性も悪い。
よくある話な気がするけど、このあたり綺麗に描写されてます。世の中大変なことが多いですね。
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夫の扶養からぬけだしたい