5.0
物語性に注目
嗜虐的なエロ描写が散りばめられてはいるものの、サスペンス要素の強いシリアスな物語性の方が印象的。人身売買という社会的暗部に潜入する主人公の任務が、次第に過激さを増していくことや、彼自身を含め、幼くして過酷な運命を背負う者のエピソードなど、フィクションとはいえ、若干陰鬱な気持ちにもさせられる。主人公が感情を抹殺しながら生きている人間という設定ゆえに、終盤において、そんな彼が少しずつ感情を取り戻し、人間らしさを獲得しようとしていく姿に、何がしらの救いを感じる。光と闇、搾取する者と搾取される者が対立する世界の中で足掻こうとする人間として。
-
5
ヴェリタス