5.0
安心安定のヤンデレ作品
個人的にヤンデレ系の恋愛ものって「どれだけヒロインの魅力とヤンデレに至るまでの過程をしっかりと描けたか」が一番の魅せどころじゃないかと思ってるのですが、この作品はそういう意味でめちゃくちゃ私のツボでした。
ヤンデレは一歩間違うと一周回って自己愛の塊もしくは利己的な偶像崇拝になってしまって「本当にヒロインのこと好きなのかコイツ?」と読んでいて私は冷めてしまうことがあるのですが、そういう不安を感じさせない安心安定のヤンデレ味なのでストレスなく読めます。
時々アリスの過去話に胸が痛くなりますが、ララの深い母性からくる愛情に勝るセラピーはないと素直に思わせてくれるようなエピソードが丁寧に描かれていて、それがまた不快に感じ無いから良いです。
ヤンデレ領主になってしまった大人のアリスと、石像化が解けたララとの止まっていた時間が流れ始めた現在。そして、ララが石像になってしまう経緯も含めた回想とが交互に描かれていることで、大人になった現在のアリスがどれだけ深く傷付き、ララを一途に想い続けて生きてきたのかが読んでいて自然と無理なく察っせられてしまう。そういう描写力や構成がとても上手くて、もうまんまとハマってしまいました笑
そして何より、絵が綺麗なので原作を知らなくてもコミカライズへのお得感を感じるのも良いです。
続きが待ち遠しい!そして、早く原作を電子化して下さい〜!併せて買いたいので!
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ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける 【短編】