5.0
ミステリー要素もあっておもしろいです
以前サイモン・シン「暗号解読」を読んでおり、それによって暗号に対する理解のための下地がわずかながらも自分のなかにあったことで、この作品もとても興味深く楽しむことができている。物語のキーパーソンである女の子の設定についても「おおお、あれかあ!」と読みながら心の中で感嘆した。ただ、断っておかなければならないのは、そういう暗号というものへの理解を深める読み方もあるけれど、それ以上に物語そのものがおもしろいから、先が気になってどんどん読み進めてしまう。主人公の青年も好感の持てるキャラクターであり、他方で誰が黒幕なのかわからないフーダニット的な要素もあり、周りの人物をどこまで信じていいのかわからない。アクションシーンも力が入っていて、読んでいて楽しい。先が楽しみだ。
- 6
機密少女と暗号戦争