5.0
最終巻まで読みました。
朝食、肉まんか?あんまんか?
選択肢があるようで、無い問いかけがずっと繰り返される毎日。
自分も親の立場になり思いますが、愛していれば成長期の子供に既製品の饅頭で済ませようと思いません。ご飯を炊いておかずを作って味噌汁をと…でも、母親の静子はまともな愛し方が分からない。
毒親元で育った人ほど、読んでいて何が変なのか、違和感はどこから来るのか、分からないような気がします。
"朝食を用意する"既成事実的にそれをこなすことが静子には重要だったのかもしれません。
毒親の親もまた毒。
尊重されない人生をずっと歩いて来た静子に最後は少し同情してしまいました…。
自分すらも大切に出来ない。
どんな悪人も生まれた時は皆同じ赤ちゃんだったはずなのに、どこで分岐してしまうんだろう。
いろいろ考えさせられる作品です。
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3
血の轍