5.0
待ってました!!
昔コミックス持ってました!聖先生の過去作の中でも最も待ってた作品!
冒頭から、「ヒロインに長い間想いを寄せてる僕」という存在が明かされてるんだけど、なかなかそれは報われない。宝の苦しみ、切なさ、ひたむきさに胸を痛めながら、2人が大人になっていくのを読者は俯瞰した立場から見守るしかない。
やっと結ばれたかと思えばまた歯車が狂い出す。どうして宝は幸せになれないのか。なっちゃいけないのか。
でも、辛い分、終盤で一気に物語が収束していく展開はカタルシスがあります。宝が声を出して泣くシーン、こっちもボロ泣き。
鍵を握っていた母親。昔はただただ嫌な親!と思っていたけど、自分が母になった今読むとちょっと複雑。彼女もまた運命を呪いながら、愛憎を持て余し自己嫌悪に押し潰されそうになりながら、長い長い苦しみの中を生きてきたんだろうな。
父とは僅かでももう一度穏やかな時を3人で過ごせたんだろうか…。
そして潮﨑くん、ひたすらに宝を見て思い続けてくれてありがとう(泣)。
クールでカッコいいだけじゃなくて真に王子様だったんだなー。
それほど長い話じゃないのに、子供時代からずっと描かれているせいか、長編ドラマ(朝ドラ的な)を観ているような感覚。映画っぽいというか。時代背景風俗が今の若い子にはピンと来ないかもしれないけど、ぜひ読んでほしいです。(メールやケータイのない時代。たけちゃんまんなんか知らないよね笑)
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