5.0
引き込まれる
腹黒そうな英雄と、薄幸(ここでは体が不自由)な美貌の貴族令嬢が題材になっている話は、これまでも多々あるが、ストーリー展開のテンポも良くて引き込まれる。特に画力が素晴らしく、性格が滲み出るようなキャラクターの描き分けも気に入っている。
熱病で脚が不自由になったヒロインが、善人だが経営能力の乏しいと思われる父親に変わり、領地を建て直そうと政治・経済、医術など、貴族令嬢がおおよそ身につけることがないような事項も学び努力してきたことが、随所に描かれている。
より良い結婚のために、美貌と芸術面での教養で男性からの愛情を得ようとする多くの女性達とは一線をなしていて、清々しい気持ちになる。
隠されている王室内のスキャンダルや隣国との戦争など、これからの展開が楽しみ。久しぶりに続きが読みたくなる作品に出会えた。
- 2
その品格に反抗を