5.0
最高のパートナーシップ! 胸が高鳴る!
光も、影も、味わい深かった。
引き込まれて、気がつくと103話。眠るのも忘れていた。
エドナとイーライが図らずも巡り合ったのは、王命による結婚。はじまりに愛は無かった。が、ともに荒れた領地の再建に取りくみ、お互いに惹かれ合っていく。
エドナは、実は16年間も男として生きてきたが、本来の女として生きる喜びを感じるようになる。イーライもまた、過酷な長い戦争で刺々しくなった表情が、穏やかになっていく。エドナを大切に思うがゆえ、心配でたまらない。そんな繊細さが出てくるのもいい。エドナを見つめるイーライの瞳は、優しくて深い。
それぞれ厳しい日々を経てきたからこそ、少しずつ愛を育む二人が、微笑ましく、いとおしい。
そして何と言っても、二人の誇り高さ、器の大きさに魂がふるえる。
エドナのなかに「イーサン王子」がよみがえり、民を守るために勇ましく戦うところは、圧巻だ!!
また、暴君の悪政に革命を決意し、「ヘイドン」という名を捨ててケイドンの影となり、戦い抜いて革命を成功させたイーライの、強靭さは計り知れない。
強い光を目に宿した王の器を持つ者同士、大いなる運命が二人を引き合わせたのだろう。
フルカラーの描写が美しい。
時に夜明けの、時に夕暮れの…いろんな色彩の空が、数々の場面を印象的に引き立てている。
いにしえの王国。晴れ渡る青空の下、駆ける馬の蹄の音、剣と剣がぶつかり響く音を、まるで私もそばで聞いているかのように、何もかも忘れ没頭していた。至福の時間だった。
この先どう生きるか…進みあぐねていたが、この作品に出会い、力強く励まされた。一歩踏み出し、歩き続ける勇気をもらえた。心から感謝しています。
104話からは、ご子息の活躍に期待する。そして、素晴らしい公爵夫妻にどこかでまたお会いできるのを、とても楽しみにしている。
- 6
光と影