5.0
現代に生き続ける江戸時代
女性というだけで無礼なことを言われてもヘラヘラへつらうことを強要される美幸の故郷の雰囲気、実感したことがあります。
この作品を読んで、結婚一年で離婚した前夫の実家を久しぶりに思い出しました。私は、東京の生まれ育ちで、前夫は東京の大学で同級生でした。当たり前だけど、幼稚園から大学まで男女平等に育ってきたし、両親や周囲の大人は私を個人として大切に接してきてくれました。だから、前夫の実家の男尊女卑でセクハラ・モラハラが悪いことだと理解できない、プライバシーなし、嫁は最下位等の価値観に自分の頭がおかしくなったのではないかと思いました。その価値観で育ってきた前夫にとっては、それが常識だから改善したり擦り合わせていける余地はありませんでした。だからさっさと見切りをつけて、その後間もなく東京育ちの現夫と結婚し、根本的な価値観はちがわずに快適に暮らしています。それほど昔の話ではありません。
美幸は、20代半ばくらいかな。仕事に脂が乗ってきているようなことを言っていたことからすると。そうだとすると、同い年の真喜は、田舎だととっくに結婚していると思う。精進落しで真喜の父親が美幸に対して不躾なことを言っていたけど、真喜が嫁の立場ならその夫の実家が喪主で、嫁の両親は小さくなっているはず。もちろん、話をわかり易くするため、真喜を独身にしたのだと判断しました。
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