伊藤すみれは美人で評判の花屋店員。しかし彼女の本当の名前は藤村葵─。彼女は顔も名前も捨て、すべてを奪った幼馴染・花梨と元夫・桔平へ復讐を計画していた。

容姿に恵まれなかった葵は、幼少期より花梨のいじめの標的だった。華やかな美貌の持ち主である花梨は、常に葵を見下し優越感に浸っていた。

葵はやがて夫・桔平と出会い結婚。苦労してきた葵にとって、やっと手に入れた幸せだった。しかしその幸せも再び花梨の手によって─。

正体を偽り、花梨と桔平夫妻に近づくすみれ。桔平を誘惑し夫婦の仲を引き裂くために。

すみれは策を練り、花梨と桔平の結婚記念日を台無しにした。その仲直りにとアドバイスした花のプレゼントでさえもすみれの計画のうち。強欲な花梨は、花では満足しないことを見越して…。

店に来たすみれの表情から、彼女には何かあると勘ぐっていたバーテンダーのミライ。すみれの復讐に協力すると申し出た彼はいったい何者なのか…？