[小説]魔法医師の診療記録
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あらすじ
今はもう忘れられた、魔法医師の物語――。太古の昔、医術と魔術とは、同一のものであった。今や人類は、かつて魔術と医術とが一つであったことをすっかりと忘れてしまっていた。しかし、この世には未だ医術のみで癒せぬ病が存在する。それは、伝承の中で、吸血鬼、狼男、食人鬼などと語られる化け物の類い、魔術を用いねば癒せぬ病――すなわち〈妖病〉が。故に古代の知恵、魔術と医術とが一体となった知恵を、未だ脈々と伝え続ける者たちがいる。すなわち――〈魔法医師〉が。魔法医師の少女・クリミアは自身が幼い頃に行った魔法医術の影響で、重大な妖病を患った幼なじみのヴィクターを治療するため、共に旅を続けていた。その目的は、ヴィクターの病を治せるだけの力をもった霊石《ガマエ》を集めること。その旅の中で、二人は数多の病人を治療していく。ときに魔法医師を異端と迫害する教会と戦いながら。ときに病人を魔物と称する人々と戦いながら。そして、病そのものと、戦いながら――。『王子降臨』『楽園追放 mission.0』などで活躍中の手代木正太郎が奇妙で流麗な筆致を踊らせた最新作(2015年8月発表作品)。イラストは、気鋭のイラストレーター・ニリツ!!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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クリミアのスランプ。魔術を失った彼女は。古代インスマ文明の発祥の地、インスマ砂漠。灼熱の地に現れた人魚の死体。それに呼応するように、見たこともない海の夢を見始める砂漠の人々。スランプ脱出のために、インスマ砂漠に拠点を置く魔法医学史の権威・ハーネマンの元に訪れていたクリミアは、住人たちを治療しようと主張し続けるが、魔術を使用できなくなった彼女に為す術などない。さらに彼女の隣には、常にあったはずのヴィクターの姿がない。そこに、人魚の噂を聞きつけた、悪名高き解剖医ヴァネッサ・キャスパーが訪れる。再会する二人。深まる人魚の謎。片や結社の病院に一人残されたヴィクターは、クリミアを求めて旅に出る。インスマ砂漠を取り巻く謎を追うクリミアとヴァネッサ。ドゥンに冒されながらも旅を続けるヴィクター。それを支えるイングリド。そんな彼らの影で、ついにラー聖教が擁する最強の〈鉄鎚〉ラ・ピュセルが動き出す。黙示録の悪魔を殺すために存在する彼女の存在は、クリミアとヴィクターの旅、そして二人の関係にどのような危機をもたらすのだろうか。魔法医師の結社と教会の意外な関係。そしてヴィクターが罹患した妖病が、世界にもたらす影響とは。魔法医学史の根底を覆す、第4集。※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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ヴィクターを狙う殺戮者たちの影。ガマエの新たなる真相を求めるべく、ガマエ研究者として著名であるヒルベルト・コッホの元を訪れるクリミアとヴィクター。コッホが起ち上げた様々な発明品を開発し続けるコッホ社は、外部からの侵入者を拒絶する擁する奇妙な島にあった。そしてそこには、想像を絶するほどに規則正しい生活を送る、奇妙な従業員たちがいた。ようやく辿り着いたコッホの居場所。それは厳重に閉ざされた扉の奥であった。コッホはもう50年もの間、そこに籠っているいると言う。途方に暮れつつも目的を果たすべく島に逗留する二人。そんな二人の前に、ヴィクターを「黙示録の悪魔」と称して付け狙う殺戮者たちが現れる。魔法医師を名乗る彼らだが、彼らの駆使する魔法医術はクリミアですら知らぬものであった。《鉄鎚》でも無き者たちが、なぜヴィクターを狙うのか?彼らは、ヴィクターの何を知っているのだろうか?時の流れが乱れる孤島で、ヴィクターの命を巡って凄惨な死闘が幕を開ける。この戦いの「鍵」となるのは誰なのか。その思考の先に、クリミアは新たなる《妖病》の姿を垣間見る。魔法医学の未来を覗く、第5集。※「ガ報」付き!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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密林に潜む妖精! その正体とは……? ガマエ研究者たちを巡るクリミアとヴィクターの旅は、魔境<魔魅の大苗床>と呼ばれる密林へと向かっていた。 行方不明と言われているガマエ研究者オディロン・パストゥール。その弟クロードが密林の探検隊に参加しているという情報を得たからである。 その情報を二人にもたらしたのは、密林の生物を解剖せんと目論む悪名高き魔法医師ヴァネッサだった。その他、ガマエを求めた卑しきハンターや、謎の包帯巻きの男。そして、魔境探検家のクロードを合わせたクセ者ぞろいの探検隊は密林の奥へと向かっていく。 だが、森は彼らを攻撃する。 選ばれし者たちの存在しか許さぬように、様々な障害が彼らを襲う。それはキュプクロス、トロール、ドラゴン、フェアリーなど、様々な妖物たちの住処に立ち入った者たちへの神罰だろうか。 次々と仲間たちを失いながらも、最奥地へ辿り着く探検隊一行。 その先で出会ったエルフたちの導きによってガマエに辿りついた彼らは、世界の成り立ち、《黙示録の悪魔》、そしてガマエについての真実を知る。 だがそれは、クリミア、ヴィクターに降りかかる、最大の試練への予兆でしかなかった。 魔法医学の根底を揺らがす第6集。 ※「ガ報」付き! ※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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クリミアとヴィクターの絆が試される――。 エルフの奸計によって末期症状となったヴィクターは、肉体が悪魔化したままもとに戻ることができなくなっていた。 クリミアとヴィクターは一縷の望みをかけて最後のガマエ研究者ジゼラ・モルガーニを訪ねに聖庁へと旅に出る。 だが、ヴィクターが末期となったことを知った結社は、彼を抹殺する刺客を送り込んでくる。そんな二人を助けるのは、これまで敵対してきたはずの、ブロー率いる鉄鎚たちであった。 一方、結社がヴィクター抹殺を決定したことを知ったイングリド、ヴァネッサ、クロードは、それを阻止しようとヴィクターとクリミアを追いかける。 その道中、三人は意外な人物からひとつのガラス箱を託される。 その箱のなかに、ヴィクターを治療するヒントがあるという。 預けられたガラス箱を渡すためにクリミアを追うイングリドたち。 ヴィクターの命を狙う刺客たち。 ヴィクターを守り聖庁まで送り届ける鉄鎚チーム。 この三つ巴の中、ヴィクターとクリミアの聖庁への道のりは、血で血を洗う異能力戦の嵐が吹き荒れることとなるのだった。 そして、ヴィクターの病状は時々刻々と増悪し、黙示録の悪魔としての覚醒は間近に迫っていた――。 魔法医学の終焉をみせる第七集。 ※「ガ報」付き! ※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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