[小説]くくるくる

あらすじ

ここには海より深い愛がある。高校入学式の翌日、語木璃一は登校途中、八重桜の木の下で、一人の少女に出会った。璃一と同じ高校の制服を着た女子生徒。長くふわりとした髪を持つ小柄なその少女は、危なっかしく青い自転車の荷台の上に立ち、頭上へと手を伸ばし、桜の太い枝に荒縄をくくりつけている。それを見て璃一は思った。「ひょっとしてこれは。首吊りってやつですか」しかしそのあまりの容姿の美しさに、璃一は彼女が荒縄を首に装着するのをただ静かに見守っていた。やがて桜の花びらが降り、少女が宙に浮かんだ、と、同時にぶちんとものすごい音がしてそのまま落下した。彼女は「げうー」と言いながら、こんな悪態をついた。「もう百二十二回め! また首吊りに失敗! これはもう呪われてるといってもいいんじゃないかな!」自殺を試みようとするとなぜか天変地異が巻き起こり、どうしても死ねない少女・なゆた。そんな少女に一目惚れして延々とストーキングする少年・璃一。なゆたは天に誓う。「いつか必ず死んでみせるの!」そんななゆたに璃一は叫ぶ。「ぼくと結婚してください!」桜の下で巡りあい「括る繰る」でクルクル回る少年少女の不思議な恋物語!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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  1. くくるくる
    くくるくる
    大朋めがね / 一肇
    必要ポイント:600pt

    ここには海より深い愛がある。高校入学式の翌日、語木璃一は登校途中、八重桜の木の下で、一人の少女に出会った。璃一と同じ高校の制服を着た女子生徒。長くふわりとした髪を持つ小柄なその少女は、危なっかしく青い自転車の荷台の上に立ち、頭上へと手を伸ばし、桜の太い枝に荒縄をくくりつけている。それを見て璃一は思った。「ひょっとしてこれは。首吊りってやつですか」しかしそのあまりの容姿の美しさに、璃一は彼女が荒縄を首に装着するのをただ静かに見守っていた。やがて桜の花びらが降り、少女が宙に浮かんだ、と、同時にぶちんとものすご

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