4.0
真面目なお仕事モノです
表紙絵とあらすじのノリがエロなだけのストーリーを想起させるんですが、そんなこと全然ないです。
この作者の作品はそういう煽りでPRされることが多いのだけど、実際に読んでみると、メインテーマは登場人物が抱える問題とその解決+恋愛なので、ストーリー重視な方にこそぜひオススメしたい作家です。
大手広告代理店に就職して6年目、営業担当の浅見智弘(あさみ ともひろ)。仕事にやりがいを感じ、上司の信頼も厚く後輩にも頼られ充実しつつもストレスフルな毎日。
同僚から広告に起用したいからと頼まれてしまい、大学の同期で同じ写真部だった写真家三山丞(みやま じょう)にイヤイヤながら連絡を取ることになる。
6、7年降りに三山に会ったところ、先日、同僚にそそのかされ、ストレス解消にと来店した前立○マッサージ店でサービスしてくれた相手だということがわかり驚愕。
在学中に大きな賞を獲り、写真集も出し個展も開き、前途洋々に思えた三山が、なぜいまこんな仕事をしているのか、写真を撮っていないのはなぜか。
三山との関わりを深めるうちに、広告業界でも重用されている重鎮カメラマン山科、そのアシスタント冬島も絡む、大きな闇が潜んでいることがわかってくる。
お仕事モノとして読み応えがあり、満足です。絵もきれいで、シリアスとギャグの緩急のつけ方もテンポがよく、ストーリー展開もまったく違和感なく最後まで読ませて、さすが。
この内容で14話なのがほんともったいない。せめてもう2-3話長くて、浅見が闇を暴くところがたっぷり描かれてたらなー。
あとわがままを言えば、浅見⇔三山の恋愛としてはちょっと弱い(なぜこのふたりが恋に落ちるのかの描写が少ない)のが残念…。純粋な恋愛モノを求める向きには不満カモですね。
最後にちょこっとある電子版描き下ろしではふたりがほのぼの同棲している風な様子が見えてニヤニヤ。
もう少しこういうシーンも見たかったー!
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