5.0
エッセイだからこそのリアル
エッセイなので、ただインパクトを求める方には物足りないかもしれません。
でも容姿にコンプレックスを持つ人には、ここに描かれているいくつもの小さな要素が膨らんでいくさま、いつまでも解けない呪縛が分かるのではないでしょうか。
“整形”は主人公にとってまさに「確変」だったのだと思います。
周りから見たら大したことなくても、小さい頃からずっと洗脳のように否定されて傷ついてきて、多感な時期を潰されて…20歳になりたての子が親に隠れて整形を決意するって相当の覚悟だと思います。
だからこそ、そしてそれまでの人生が(全てがそうではないにしろ)容姿によって折られてきたからこそ、『この苦労に見合う対価がないと納得出来ない』悔しさが嫉妬となり現れてしまったのではないでしょうか。
人格形成って、「全てがそのせいじゃない」とか言われても、根元が本当に大事なんですよ。
私はこのお話は、作者さんが自分の中の大きなコンプレックスに抗い、新しいスタートをした為改めて人間関係やコミュニケーションを学び、少しずつ成長していくお話だと思いました。
- 8
自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話