5.0
生きることが辛いなら、読んでみて下さい
世界一売れた、少女マンガの傑作。
甘酸っぱい恋模様、心ときめく展開に胸を打たれて読み進めて行くと…この物語のほの暗い部分に、深く嵌まってしまう。
フルーツバスケットは、本田透を主人公として物語が進むと思いきや、実は彼女自身に関わった、草磨家の人物達が、それぞれ主人公となり、許され、解放されて行く物語になっている。
呪われた草磨家…取り分け、アキト始め、十二支の呪いを受けた人物達は、その生い立ちから、両親との確執や、いじめ等、虐げられた暗い過去により、自らへの劣等感を持っている。
生々しく描かれた、一人一人の生きる苦しみに、自らを重ねてしまう時、読者は心の深い部分をえぐられ、そして、最後には、癒され、涙し、救われている。
どんな過去も、意味があるよ
誰しもが、生きていていいんだよ
ありのまま生きることを許してくれる、そんな一作です。
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フルーツバスケット