5.0
好き嫌い分かれるとは思いますが
昨今、クズを捨ててもっと良い男に拾われる的都合の良いファンタジーな展開の作品が多い中、とてもリアルな恋愛の描写でとても良かったです。もちろん修くんルートを見たかった気持ちもわかりはするんですが…
実際の恋愛、人間ってこういうクズさというかダメな部分もありつつ成長していくものですし、低評価レビューに多い凰太をモラハラとかそういう言葉で片付ける感じは違うかな、と私は思いました。
美月が母の嫌なところを気づかないうちに継承していて、その押しつけがましさで凰太を縛ってしまっていたことを自覚するシーンがとても良かったです。現実の恋愛において片方が100悪い事はあまりなく、実際凰太がああなった原因の一端は美月にもあるという描写が素晴らしい。
最近こういう作品の最初に出てくるクズ側は「ここまでのバカは現実になかなかいないだろ…というかなぜこいつを好きになったんだ?」レベルのお粗末なクズキャラ設定が多い中、凰太にはとても人間味を感じたし、美月も修も含めすべての登場人物に深い人間味を感じました。綺麗なだけではないリアルな人間の心理の描き方が上手い。
総合して「リアルな恋愛、結婚までの道」を書いた作品だと思うので、良い男に拾われて幸せになるファンタジーな夢物語を求めている人には合わないのかな、と感じました。
修くんは見て見ぬふりをして自分を好きにさせることはきっとできたはずなのに、美月を本当に想って幸せになって欲しいからこそ凰太にけしかけに行ったところがとても愛だなというか、人格が立派…となりました。夢がかなったこともめでたいですが、恋愛面でも修くんは修くんで幸せになって欲しい…そんなスピンオフ短編もあったら嬉しいです…。
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花に雨、彼女には彼