3.0
ビジュアル重視の方はハマる
3巻から読んでハマる方には眼福の作品だと思います。1巻からどハマりした私は、宿命持った2人が、宿業に抗い、散々邪魔されてきた運命を乗り越え、一生に一度の恋を貫き、最後にやっと結ばれる話だと思っていましたが、19巻を読み終えて、どうも方向性が違う話のように思えてきました。
運命は乗り越えるのではなく、運命と関係ない別の道を自分で切り開き、宿業も回避するのではなく、受け入れた上で臆せず自分らしく生きることが、抗うという意味のようです。過去作も予想外の展開の三角関係を繰り広げる作者さんですが、今回も「一生に一度の恋」という宣伝が意味を成さない程、2人のイケメンに恋をするビックリ展開です。
二股感否めない主人公ではありますが、セトニナの成長物語として読めば楽しめると思います。ただ、この2人では悲劇に浸る中高生ラブのようで話が浅くなってしまうので、大人なアズに物語の舵取りを担わせているのではないかと思います。でも画力と表現力が秀逸なので、セトの浅い発言も行動も、考え抜かれた胸打つ言動のように見えて、その上ビジュアル最高ですから、ハマる方はどっぷりハマると思います。
私は、守るもの、責任、立場など制約ある中で、そのとき持っているもの全てをかけて覚悟決めて自ら動くアズを尊敬しますが、何とも不憫なキャラで、相当な努力重ねて我慢を強いられた人生を歩んできたのに、やることなすこと空回りのように描かれ、身を挺しても骨折り損で可哀想です。何だかんだの理由付けでニナとは離れ離れで恋愛を育む機会さえ与えてもらえません。一方でセトは、殻に閉じこもっていても介抱され、ほぼ一緒にいるので、セトニナが育む恋愛物語なのではないかと思います。アズをたまに恋愛の土俵に戻すことで、まるでセトニナの順調な恋愛を邪魔するストーカーのように見えてしまうのがまた不憫です。
それと、やるべきこと色々抱える大人なキャラが全てを放り出しても側にいるのは胸打たれますが、元々仕事してなかったキャラが好きな女以外眼中になくなるのは、私には自己中な子供のように見えてしまうので、最初からニナにベッタリではなく、ある程度成長してからニナの側を選ぶなら良かったかもしれません。
結局、簪もフィタも恋愛面では意味なくなるので、1〜2巻なしにすれば恋愛面では一貫性ある作品かと思います。宿命の面では、1〜2巻含めた方が理解深まります。
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星降る王国のニナ