5.0
すっきりしない結末だからこそ
自分の経験に引き寄せてのレビューも多いですが、それとは切り離してもとても考えさせられる作品でした。
現実に存在している問題について考える時に自分が当事者かどうかは関係ありません(戦争について考える時に戦争体験の有無は関係ないですよね)
いじめたりいじめられたりといった経験というフィルターを通さず、そこにあるものをどう捉えて考えるのか。すっきりしない結末はむしろリアルです(実際の事件や行動が、ということではなく)
「全然考えさせられるところがない」みたいなレビューも見ましたが、そういう方は作品内に何かしらの答えが提示されていないと自分では考えられない人なのでしょう。
物語(フィクション)として消費して楽しみたい方には消化不良かもしれません。
現実ではそれぞれの立場から見えることなんて限定的です。その中で何を思うのか、どう考えてどう行動するのか。誰が正しくて何が正解なのか。
答えなんか描かれていません。
繰り返しになりますが、だからこそ考えさせられる作品でした。
- 1