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守られるたびに、陛下の闇に溺れていく
かつて国を救った英雄でありながら、人々からは‘冷酷な陛下’と恐れられている王・アレク。その夜の顔は昼とは別の
‘闇’を抱えたまま、誰にも心を開かない孤独な支配者。そんな彼の前に現れたのが、神殿で‘災いの娘’と噂され孤立し
て生きてきた少女・リラだった。リラは自分の存在が周囲を不安にさせると信じ、常に一歩引いた距離で生きてき。ただが
ある夜、偶然にも暴走した魔力の危機からアレクを救ってしまい、その出来事をきっかけに、陛下は彼女を‘そばに置く’
と宣言してしまう。彼の真意もわからず、戸惑うリラだったが、政務の隙間にふと見る優しさや、鋭い瞳の奥に沈む寂しさ
に触れるたび、心に小さなヒビが入っていく。アレクもまた、誰にも打ち明けたことのない‘夜ごと襲う闇’に触れてくる
リラの存在に、気づけば救われてしまっている自分を認めざるをえなかった。だが、王宮にはリラをよく思わないものも多
く、アレクの冷徹さは彼女を守るためにさらに過剰になっていく。守りたいのに、守れば守るほど孤独に追い込んでしまう
━━そんな不器用な彼の葛藤が、読んでいるこちらの胸にも痛く響く。「そばにいろ」「離れた方がいい」アレクの矛盾し
た言葉がリラの心を揺らす。揺らすどころか乱す。乱すほどに気になってしまう。夜の闇に沈んでいくように惹かれ合うふ
たり。それは恋かそれとも呪いか触れてはいけないはずの距離が、ゆっくりと近づいていく━━。大人の切なさと守りたい
のにうまく守れない不器用な愛が静かに燃え上がる物語となっています。ぜひ無料分だけでも読んで欲しいです!
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陛下は闇夜に溺れて