4.0
誰もが読むべき問題作
昭和初期の室蘭が舞台です。当時は貧困のために女の子が売られる時代でした。女は身体を売り、男は低賃金で重労働にこき使われる、現代の価値観では想像できないストーリーがのっけから展開されます。
売られてきた女の子たちは全員処女、女衒が好意で用意してくれたうどんを女郎屋の女将がぶちまける、それをむさぼり食う少女たち、その少女が客をとったショックで自殺、などなど。他のコミックではあり得ないような衝撃シーンが続きます。
はっきり言って絵柄は今どきの作品からすると幼稚だし、無防備に読んでいると気分が悪くなるかもしれません。しかし、数十年前の東北や北海道、もしかしたら他の地域でもこういう事はあったのだし、そういった苦難の上に現代の便利な社会が築き上げられているのだという事を改めて考え直すのは大事なことだと思います。
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特装版 親なるもの 断崖