5.0
嘘と仮面で心を隠した2人の切ない愛
地位も名誉も財産も美貌も、全てを兼ね備えた男、チェーザレ。自分の思い通りに物事を進めるためには手段を厭わない。でも、その仮面の下に隠されていたのは、捨てられた子犬のような弱さと優しさ。自分でも気づかぬうちに、プライドという鉄の仮面でそれらを覆い隠して生きてきた。ただ純粋に、誰かを愛したかっただけなのに……。読み進むにつれてその狂気じみた行動さえも愛おしく、抱きしめたくなる。鉄の仮面を打ち破って、幸せになってほしい。
一方アデルは、何もない場所から自分の力で世を欺いて這い上がる。その先に幸せがあると思っていた。しかし現実はそううまくはいかなかった。貧しい出自の人間は、一生貧しいままなのか。幸せとは?
次々起こる予測できない展開に、途中から課金して夢中で最後まで読み進めてしまった。チェーザレの心を表す表情の描写に引き込まれる…!
身分や家柄が重要で当たり前な時代に、真実の愛を手に入れてふたりで幸せになってほしい。
自分を守るために、自分の心を殺して、自ら仮面をつけて生きている人に読んでほしい。
-
0

上流社会