4.0
悪くはないが、惜しい
タイトル通り所謂本格ミステリーではなく、ミステリーなようでよくありそうな人間関係等をまさに「事実は小説より奇なり」と言うテイストで切り込んでいるのは、ありそうでなかったようにも見える
結局人がどう思うかをある意味俯瞰しているような作品なので、そういう意味の読み物としては読んでて楽しめます
ただ、個人的に惜しいと思うのは、最新刊まで読んだが、主人公は浮世離れしているように見えて実際には主義主張があるキャラクターであるなら、そこに対して別の主張を述べるような対となるキャラクターがまだ出てこないのが残念
主人公が自分語りをするならそこへのアンチテーゼがなければ、ただの一方的な主張の垂れ流しになってしまうし、あまりに登場人物が聞き分けがよすぎて、そうだねーとただ聞いて終わるような話がちょっと目立つ
逆の考えを強く主張する存在があって意見をぶつけ合うから主張に深みが出来てくると考えてるので、そういったキャラクターの登場を楽しみにしてます
- 0