4.0
かつて南北朝時代はタブーだった
今から20年ぐらい前までは「足利尊氏は天皇に弓引いた逆賊」と所謂、「皇国史観」の教育を受けた世代がたくさん存命してた。
歴史小説家の間でも吉川英治先生が「私本太平記」を仕上げた直後に急逝されたことから南北朝時代を題材として取り上げるのは憚る風潮があった。
ただでさえ複雑な背景の南北朝時代を題材にしながらも少年漫画のテイストに上手く仕上げていると思う。
これまで戦国時代や安土桃山時代の合戦を描いた漫画は多数あれどこの時代の合戦を描いた漫画はなかなか無く時代考証をしっかりリサーチしている点が好感を持てる。
これから主人公と足利尊氏との絡みが増えてくると思うがあの複雑な性格(双極性障害だったという説がある)の尊氏をどう描くのか。
後世の我々は主人公の最期を史実として知っているのでそこも含めて今後の展開が楽しみである。
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逃げ上手の若君