1.0
不愉快な虚無
終わってみると何も残らない話。
話自体のへんてこさはこの際良いとしても、主題が「幸せ」という尺度で、「決断する苦悩を知らないから幸せ」とか言うんであれば、「だったら苦悩して決断なんかせずに生きりゃあ良いんじゃね?」という感じだが、明らかにそうなっていない。
「決断する苦悩を知らない事が幸せ」であることを作中で表現しようと努力している節も見られない。
かと言って、お互いに自身の幸せを否定して不幸自慢をしてる話の構造上、「幸せを得るためには決断も必要」という話にもなり得ない。
結局のところ、終わってみると「努力もせずに他人の不幸をやっかんでるだけのクズ」が、そのクズ性で贄として吊られたというだけで、主題の「幸せ」が単なるこじつけとしてしか機能していない事に気づいてしまう。
なので、なにかデスゲームを通じた教訓話の様な体をしているのに、変なデスゲームに恭順して人一人殺して、自分たちの日常に素知らぬ顔で帰っていく四人が吊られたクズ以上に不愉快なだけで何も残らない。
読んで損した。作者は本当に何が描きたかったのか解らない。そしてこんなんを宣伝するなよという。
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幸福死