1.0
主人公に裏切られた気がする
この結末はどう考えてもやっぱり失敗なのです。なぜなら前半のストーリーがどちら向きに行ってもいい風には描かれていなかったと思うのです。もしこの結末にするならば前半のストーリーの作り方を根本から変更するか、馬村くんを魅力的に描く、それこそ物語の肝を握るような傑作のエピーソードを入れこめるとかしないと、せっかくの素晴らしく魅力的な主要人物3人のキャラがみんな死んでしまう。ラストまで読んで、こんなにも気持ちを揺さぶられて残念に思うのは、それぞれの登場人物に深く感情移入していたからであり、だからこそこんなにも激しく何かに裏切られた気持ちになるのだろうと……。考えれば考えるほど私的に一番裏切られた気持ちになるのが主人公のすずめに対してであるところに、この作品の失敗がありそうな気がします。番外編を読んでも心のざわつきが治まらないのがその証明ですね。もしこの作者がこの作品を椿町ロンリープラネットの後に描いていたら、傑作である椿町に引けを取らない作品になっていたのではと期待させる魅力を随所に感じるだけに、なんだかものすごく残念です。とにかく漫画を読んで過去いちで心がザワついて、その原因を探り続けています。そういう意味では私の漫画史上ものすごく特殊な作品ですね。
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ひるなかの流星