年季の入った本の虫さんの投稿一覧

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1 - 10件目/全46件
  1. 評価:4.000 4.0

    読み始めはいい感じ。

    絵も丁寧で、外国の方が原作の漫画にありがちな淡々とした感じもそれほど気にならず、毎日無料の機会にと開いただけでしたが面白く読み進められました。
    ヒロインは悪い意味での女らしさはなく、けれど女性の範囲で出来うることを堅実にこなしていくタイプで、「ここまで頭が回るなら転生前もどうにかなったろうに」と思いがちな転生モノの中ではとても自然に物事が進んでいく類のお話です。

    ただ、他の方も書かれていますが話の節目で突然絵柄が変わり、それに伴って物語の展開もかなり稚拙になったように感じます。読者がつくまでは腕のあるクリエイターに進めさせて、定着した頃に新規を追加するという意味では商売としてよくある手法ではありますが、穏やかな表情の多いヒロインや、ポーカーフェイスの侯爵が常に吊り眉(怒っているレベルの)に描かれるようになって、未だに違和感がぬぐえず…(笑)
    絵のクオリティは描いているうちにきっと上達されるでしょうし特別物申すつもりもありませんが、表情はキャラクターの命です。そこだけはせめて、以前までの描き手さんに寄せるべきだったと思わざるを得ません。
    展開の仕方も、最初懸念していた外国の原作らしい説明の足らなさと場面の転換が雑で違和感を感じる作りに逆行してしまいましたが、一応もう少し読み進めてみようと思います。

    • 6
  2. 評価:5.000 5.0

    売れっ子作家さんだけに

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    安定感と王道感が半端なくて清々しく感じました。
    正直なところ、この作家さんの作品は売れていると知ってはいますがあまり琴線に引っ掛からず未読です。ただ、話題になるからにはそれなりの中身があるはずで。気になっていたのが、今回はテーマ的に興味を惹かれたのでようやく目を通しました。…そして、全購読しました(笑)

    私は王道が好きです。変に通ぶる方は「王道なんてダサい」「使い古されていてチープだ」と言うかもしれません。言いたいことは分かるし、そう思う時期が誰しもあるでしょう
    けど、チープでつまらなければ誰も評価しません。「王道」と呼ばれる使い古された展開が、なぜ使い古されても廃れずに残るのか。それは否定的な意見よりも圧倒的に肯定的な多いからです。ほぼ誰の心にも届くようなものって必ず存在するんです。何回観たって感動する。展開は知っているのに何度でも観たくなる。それが「王道」です。この作家さんはそれをちゃんと理解されている気がします。

    ただ一つ、結婚の約束をした彼ですが、読み進めるうちに「ちょっとキャラの方向性が変わったんだろうな」と思って、それは少し残念でした。…とは言っても、読者の反応やら、然るべくしてそうしたのだろうから仕方ないとは思いつつ。
    当初は完全にサイコパスキャラ(ハンターハンターで言うところのヒソカのような)で、口は笑っているのに目は深淵で。人を殺めることに躊躇いがなく、命令に忠実な癖に気まぐれ。「愛が重いけど」と発言していたので、このサイコパスがどう溶けて絆されていくのか楽しみでした。
    が、回を増すごとにどちらかと言えば「愛を知らず、動物に育てられた」無垢な青年、といった雰囲気に。…アレはアレで可愛らしいので、女性の母性を刺激していそうで憎いヤツです(笑)

    何にしろ、恋敵とも一悶着ありつつ新展開が近そうなので、続きも楽しみにしています(現在59話)

    • 2
  3. 評価:5.000 5.0

    切ないだけじゃなく

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    なんていとおしいお話なのかなと。

    しかし驚きました。個人的に、究極の「愛」の終着点は「食らう」ことだと自論を展開していたのですが、同じような感性に出逢えるとは。そしてその難しい、共感を得づらいテーマを、これほど美しく儚い物語にしてしまうとは。これはもう、センスの塊ですね。
    みどりちゃんの結末には驚きました。ずっと自分の飴菓子をひたむきに想い続けていた彼の執念というか、いっそ狂おしいほどの囚われぶりがとても好きでしたが、あれはあれでいいのかな、と思えます。彼の待っていた飴菓子は別の道を行き、互いに別の対を持つのに絆を結び合っていく、複雑でもの悲しくて、ひどくいとおしくなる、個々の成り立ち方がとても胸に響きました。
    あの後、彼の飢えは終わりを告げたのでしょうか。何故、彼は飢え続けなければならなかったんだろうか。一度読んだだけではまだ結論が出せなくて、また時間を置いて読み返してみたいなと思っています。
    いい作品を、ありがとうございました。

    • 2
  4. 評価:5.000 5.0

    現在81話まですべて購読した上で

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    先に結論を言いますと、個人的には大好物です。性癖に突き刺さります。
    抉るような暴力性のある魅力を持った作品ですが、難点も多い。
    私にとっては☆5を突き抜けますが、一般的において☆3に留まるのも容易に理解できます。

    ・日本人向けでない
    ファンタジーものとか、中世の西洋文化とか、自分とかけ離れた舞台に慣れている方なら別かもしれませんが、日本人の感性に突き刺さるにはちょっと複雑すぎる気がします。貴族の暮らし、男女の格差、貧富による妄執。日本に生きているだけでは想像するのも難しい事だらけかもしれません。
    ・感情が複雑すぎる
    昨今の日本は「如何にストレスを受けず、自分に都合よく生きていけるか」を突き進んでいるように思うので、そう生きてきた方々にはたぶん響かないかな。サディスティックでもあり、マゾヒストでもあり、加虐体質であり、悲劇ぶったりもする。外国は日本よりずっと感情の振り幅が大きく、それゆえの感性といえるでしょうけど、起伏の少ない日本人には理解できない類の激情で渦巻いています。これを自分なりに噛み砕いて解釈が出来る想像力をお持ちの方は、自分なりの楽しみ方を見つけられる気がします。
    ・背徳的、嗜好的な要素が多い
    姉弟愛、異種族愛。しかも悪魔。そんなものと交わる女、なんて、聞く人が聞けば憤慨モノでは?と思いますが、単純に作品として見れば、個人的にドツボでした。ひたむきで純粋な悪魔。それでいて嵐のような激しい妄執を注ぐ弟。それを怖れ、実の弟である罪悪感に畏れ、その根底で痛ましく慕って欲しいと切望する歪んだ姉。それだけで複雑なのに、さらには前世まで関わってきて情報が渋滞状態ですね。でもその、複雑にからまりすぎて解けなくなった、捨てるしかない糸みたいな二人の愛憎が、痛ましくて見ていられないのに、どうか救われて欲しい、愛情で満たされて欲しいと願ってしまうんです。

    長くなってしまいそうなのでこの辺にします。
    普段から活字などで登場人物のあれこれを想像する楽しみがある方には、とてもオススメ。
    苦手な方はこれを機に是非とも想像してみていただきたい。単純明快なだけではないんですよね。「愛」って。

    • 246
  5. 評価:5.000 5.0

    久しぶりに

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    ふたりの幸せを切望して、どうかどうかと涙が止まらなくなりました。

    正直なところ、漫画としてのクオリティで言うなら☆3.5くらいです。
    急な展開が多く、補足が少ない。脳内補完できる範囲でないものもしばしば。終盤に明かされた事実によって「え、あれも?これも?」と言い募るシーンはもう少しクドイくらいにえがかないと勿体無かったな、とか。(絶対に心をガンガン揺さぶるシーンになりえる部分だったのに、あっさりしすぎてヒロインだけが納得していて、読者が置いていかれちゃう感じ。もっと丁寧な描写で、一緒に打ち震えたかったんですよね)
    最後は一応のハッピーエンドですが、あまりに先が見えなすぎるというか、「え、そんなこと言ったってこの場所でどうやって締結すんの…?心の問題?気の持ちよう?」と思ったり。せめてエンドロール的に、その後のみんなが一コマずつでもいいから垣間見れたら気持ちよかったなと。上の疑問も、「まあなんか色々とミラクルがあって丸く収まったんだな!」って自分に納得させられる事だし。…とはいえ、力は戻ってそうだったな…ありがちな生まれ変わり系かと思ったからそこがよかったけど、だからこその先の見えなさもありつつ。

    昔「破妖の剣」っていう小説のシリーズが大好きで、こういう異種族モノにはてんで弱いんです。
    取るに足らない塵芥のような存在に、強大な何かが自分で驚くくらい引き摺られていく感じ。踏み潰すはずががっちり抱えて守ってしまう感じ。たまらないです。そこの点では大満足でした!

    もう何でもいいから!
    どんなご都合展開でもいいから、とにかく最強に幸せであれ!!…と願ってやみません。

    • 4
  6. 評価:5.000 5.0

    いい感じに「いいとこ取り」

    な作品でした。
    好きですね、こういう味わい深い感じ。

    化け物の不自然なバランスの造形や絵のタッチがムヒョロジっぽいな、
    「怪異」に焦点を当てているあたりが物語シリーズ調だな、とか思いながら読んでいました。
    色んな作品に明るい方なら、もっと見つけられるのかな。
    単純に「パクリつまらん」というよりは、色んなものの「いいとこ取り」な感じで、読者としては、個人的にですが面白かったです。女たちの異様な執着、主人公のした過ち、監視している人間、それに警告する新しい一派と、謎めいたものが絶妙なタイミングで絡んでくるので、続きが気になってあっという間に配信分を読破してしまいました。更新が待ち遠しい限りです。

    レビューはすこし辛すぎますね。じっくり読んでみると味わい深い作品です。
    ホラー系、ミステリー系が好きな方には刺さるかもしれません。私はとても満足でした。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    デビュー当時から

    好きな作家さんで、コミックスも買っていました。
    しばらく書店から離れていたのですが、場所を取らないという理由でデジタル書籍に手を出し始め、ふと気になって検索したら、記憶よりずっと刊行されていて嬉しいです。

    この作家さんはいつも、ストレートに惚れた腫れたではクリアできない、人の「心」に焦点を当てています。今回は同性。性別が違うからって、想い合えるのが当たり前ではないんですよね。人を愛しいと思う気持ちは、一体どこからくるのか。そこに優劣なんてあるのか。当たり前が当たり前ではなくなった時、どう感じるか。読み手によって感想が違うだろうと思います。
    私は、「相変わらず、痛々しいほど純粋に心を向けてくるなあ」と懐かしく思いながら読みました。上部だけでない、深層からの「その人」と出逢った時、それが「普通」ではなかったら、大概の人は「異物」として嫌悪します。それをしないヒロインの真っ直ぐな心が、とてもきれいで、愛おしく感じました。ふたりがどうなっていったとしても、お互いに幸せになって欲しい。できるなら、一緒に歩んでいってほしいな、と思います。素敵な作品に感謝を。

    • 0
  8. 評価:4.000 4.0

    吸収型の作家さん

    この方の描く作品って、どこかで見たことあるな〜ってものが多いんですよね。
    全部とは言わないんですけど。シチュエーションだったり、キャラクターの設定だったり、セリフだったり。分かる人には分かるというか。
    影響の受けやすい作家さんなのか、敢えてそうしているのかは分かりませんが。この作家さんが描くと、土台となった作品よりもキラキラと昔ながらの少女漫画らしく変化するので、これはこれで読み手としては面白いです。描き手さんからはどうか分かりませんが…

    この作品も、素敵な彼氏、からセリフや設定を拝借したんだろうなと思いつつ、水瀬さんらしいアレンジで読みやすかったです。

    • 23
  9. 評価:4.000 4.0

    原作既読者です。

    なつかしいな、と手に取りました。
    やはりどうしても読みやすく編集されているので、色んな部分がはしょられていたり、それに伴って、原作ではグイグイ引っ張られて感情移入してしまうところが曖昧に落ち着いたりはします。
    が、原作は本当に、一度感情移入してしまうとしんどい、つらいところまで引っ張られてしまうので、読みやすくはありました。ただ、挿絵だった日高ショーコさんがもともと好きなもので、日高さんが描かれたものも見たかったなと…個人的には。

    ただ、話半ばで完結なんですね(最重要)
    わかりやすく表記した方がいい気が…。これから2巻が配信されるんでしょうか…あそこで終わるのはキッツイですね…笑
    続きが知りたい方はぜひ原作小説を。松岡にただただ幸せになってほしいです。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    話数の都合上か…

    急にお話が飛んでしまった挙句、配信分が終了して驚きました。学生とは恋愛できません、ってお話だったから、単純に年齢を釣り上げたのかな…ってところでしょうか。あれくらいの歳の子って色々と不安定で、周りに影響されやすくて、怖がりで、ありそうな話だよなあ、とやるせなくなりました。キャラたちの作り込みはすこし甘い気もしますが、さらっと読む分にはわりと面白かったです。続きがありそうなので、その後に期待したいと思います。ただ、無料分はもう少しあったほうがいいかと…

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